津山洋学資料館

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2024/04/14 第77回文化講演会 「近代的啓蒙」と明治日本の国家構想-西周と津田真道-

 

 

 

演題:「近代的啓蒙」と明治日本の国家構想-西周と津田真道-

講師:早稲田大学文学学術院教授谷口眞子先生

日程:令和6年4月13日(土) 


津和野出身の西周と津山出身の津田真道、二人の人生をたどりながら、いくつかのトピックについて、二人の意見や考え方をご紹介いただきました。



 

 

2023/04/25 第76回 文化講演会 出島オランダ商館の輸入砂糖について

 第76回文化講演会

演題:出島オランダ商館の輸入砂糖について

講師:洋学史学会会長・文学博士・和食文化学会理事

                    八百 啓介 先生

江戸時代、砂糖はどれくらい輸入され、どのように使われていたのでしょうか? 出島オランダ商館の帳簿などの分析から見えてくる、当時の砂糖の貿易や日本国内での流通の様子についてお話しいただきました。

2022/05/01 第75回 文化講演会 日本石鹸製造事始め 日本における石鹸製造業の勃興と発展

 

演題:日本石鹸製造事始め-日本における石鹸製造業の勃興と発展-

講師:花王株式会社 花王ミュージアム館長 引地聰 先生

日程:令和4年4月30日(土)  

津山藩医で洋学者の宇田川榕菴は、『バタビア局方』に倣って、日本で最初に近代的な手法で石鹸を創製し、内服剤として用いたといいます。そうした江戸時代の石鹸造りの技術的蓄積と伝承により、明治維新後に日本で石鹸産業が勃興することになります。

ご講演では、石鹸造り黎明期の宇田川玄真・榕菴・興斎らの研究業績を受けて、どのように日本で石鹸製造業が立ち上がっていったのか、化学と技術の視点を交えながらお話しいただきました。先生は、品質低下に陥った国産石鹸産業が、1890年の花王石鹸の発売を嚆矢として復興したことなどを説明され、長瀬富郎の高品質石鹸の製造は、蘭学者の挑戦を継承・発展させたものであった、とお話を締めくくられていました。参加された方々は、メモを取るなど、興味深い様子で熱心に聴き入っていました。

2019/04/22 第74回 文化講演会 真珠王 御木本幸吉と箕作佳吉

 

演題:真珠王 御木本幸吉と箕作佳吉

講師:ミキモト真珠島 真珠博物館長 松月清郎 先生

日程:平成31年4月21日(日)  

世界で初めて真珠の養殖に成功し、御木本真珠を創業して「真珠王」と呼ばれた御木本幸吉。難しい養殖を成功に導いたのは、津山の洋学者 箕作阮甫の孫で、東京大学日本人最初の動物学教授となった箕作佳吉でした。

ご講演で松月先生は、江戸時代には、真珠はごく稀に採取できるだけだったことや、薬として用いられていたことなど、真珠の歴史からお話を始められました。そして幸吉の生い立ち、真珠養殖への志と佳吉との出会い、幸吉が機転をきかせて事業を展開していったことを、分かりやすくお話しくださいました。参加された方々は、熱心にお話に聞き入り、終了後には「ミキモト真珠はよく耳にしますが、津山と縁があったことは初めて知りました」などの感想が寄せられました。

2018/04/29 第73回 文化講演会 平賀源内と博物図譜

 

演題:平賀源内と博物図譜

講師:元香川県立ミュージアム学芸員 松岡明子 先生

日程:平成30年4月28日(土)  

高松藩5代藩主松平頼恭が作成させた博物図譜は、植物や鳥、魚が驚くほどの精巧さで描かれており、18世紀を代表する博物図といわれています。実はその作成には、エレキテルで知られる平賀源内(1728~1779)が関わっていたと考えられるのです。

ご講演では、高松松平家伝来博物図譜がどのように制作されたか、源内との関係、そして日本における博物図譜の発展と洋学とのつながりについてお話しいただきました。参加された方々は、図譜の超絶技巧に目を見張り、熱心にお話に聞き入っていました。 

 

2017/04/24 第72回 文化講演会 箕作の名をもらった魚たち

演題:箕作の名をもらった魚たち

講師:神奈川県立生命の星・地球博物館 学芸部長 瀬能宏先生

日程:平成29年4月23日(日)   

箕作阮甫の孫の佳吉は、東京大学の日本人最初の動物学教授となり、日本動物学会や三崎臨海実験所の設立に貢献するなど、日本の動物学に大きな足跡を残しています。

ご講演では、佳吉に献名されて名前のついた生物たちや、その名前を付けた学者たちと佳吉の関係などについてお話しいただきました。佳吉に献名された生物は、魚だけでなく植物や昆虫もあり、その範囲は2界13門18綱41分類群にもおよぶのだそうです。先生は、これほど多くの分類群にまたがることは珍しく、かつ献名された年代は、佳吉の没後もあって、長い年代にわたって影響を与えていることを指摘されました。

参加された方は、「ミツクリザメは聞いたことがあったが、そのほかにもこれほどたくさんの生物がいたとは!」と驚いていました。

 

2016/04/24 第71回 文化講演会 出島における黒坊について

演題:出島における黒坊について

講師:東京大学史料編纂所共同研究員 

    イサベル・田中・ファンダーレン先生 

日程:平成28年4月23日(土)   

江戸時代、長崎の出島には奴隷身分のインドやマレー系の召使が、オランダ人より遥かに多く滞在していました。彼らは「黒坊」と呼ばれ、当時の文献や版画にも登場し、日蘭交流に大きな役割を果たしていました。しかし、その存在や役割は、今でも十分に認識されているとはいいがたいのだそうです。

先生は、当時の史料を通じて、彼らが日本人とオランダ人の交流が円滑に進むための役割を担っていたことなどを紹介され、正しく歴史を認識し、彼らについてもっと目が向けられるようになることを願っています、とお話を締めくくられました。参加された方々は、終始熱心に聴き入っていました。

 

2015/04/19 第70回 文化講演会 近世日本とオランダ-日欧文化の交流と融合-

演題:近世日本とオランダ-日欧文化の交流と融合-

   

講師:熊本県立大学准教授 平岡隆二 先生 

日程:平成27年4月18日(土)

 

長崎の出島を通じたオランダとの交流は、日本とヨーロッパ双方の文化に様々な影響を与えています。今回のご講演では、日本の浮世絵のテーマや構図、絵の具にも西洋の影響がみられること、逆にヨーロッパではヤポンス・ロックと呼ばれる日本風の衣装が流行したり、漆器がJAPANと呼ばれたことなど、日本とヨーロッパ双方の博物館に残された資料を通じて、文化交流の実態をお話しいただきました。

聴講された方々は、先生の紹介される資料の写真に感嘆の声をあげながら、お話しに聞き入っていました。

2014/04/20 第69回 文化講演会 -ペリー司令官日本遠征の真意-

演題:日米和親条約締結160周年記念

    ペリー司令官日本遠征の真意

    ‐アメリカ合衆国国立公文書館所有原文書による新解釈-    

講師:天理大学准教授 小暮実徳 先生 

日程:平成26年4月19日(土)

 

 幕末、ペリーが艦隊を率いて来航し、日米和親条約が結ばれてから、今年で160周年を迎えます。当時の日本に大きな衝撃を与え、開国へと進む契機となったペリー来航ですが、「アメリカがなぜ日本へペリーを派遣したか」については、未だに定説がありません。

 今回の講演会では、アメリカ合衆国国立公文書館の所有する原文書を小暮先生が研究して明らかにされた、アメリカの真意をお話しいただきました。

 来場された方々は興味津々の様子でお話しに聞き入り、終了後には質問も活発に出ていました。

2013/04/21 第68回 文化講演会 -非常に生きた本草学者 平賀源内-

演題:非常に生きた本草学者 平賀源内    

講師:法政大学通信教育講師 土井康弘先生 

日程:平成25年4月21日(日)

 

 非常のことを好み、非常に生き、非常に死した平賀源内。

 エレキテルや火浣布など、様々なエピソードで知られる平賀源内ですが、誰もが知っていそうで、実は知られることの少なかった「本草学者」としての面も持っています。今回のご講演では、本草学者として駆け抜けたその生涯について、スライドを使いながら詳しくお話しいただきました。

 来場された方は、映し出される映像に見入ったり、メモを取ったりしながら熱心に聞き入っていました。

2012/04/23 第67回 文化講演会 -津山と静岡をむすぶ維新後の旧幕臣-

演題:津山と静岡をむすぶ維新後の旧幕臣    

講師:国立歴史民俗博物館総合研究大学院大学 教授 樋口雄彦先生 

日程:平成24年4月22日(日)

 

 維新後の旧幕臣たちの活動を中心にご研究されている樋口先生を講師にお迎えしました。

 ご講演では、津田真道や菊池大麓ら、幕臣となった津山ゆかりの洋学者たちが、維新後に徳川宗家が入封した静岡の学問所で教鞭をとっていたことをや、逆に静岡の旧幕臣たちが「御貸人」として津山藩に来て、その後藩士として登用された事例を史料から紹介されました。旧幕臣たちによる津山と静岡のつながりがわかる貴重なお話しでした。

 聴講者の皆さんも、メモを取りながら熱心に聞き入っていました。

2012/02/04 第66回 文化講演会 -江戸時代の医学と津山-

演題:江戸時代の医学と津山    

講師:佐賀大学地域学歴史文化研究センター副センター長 

    佐賀大学大学院 医学系研究科教授  青木歳幸先生
日程:平成24年1月28日(土)

 

 地域に根差した視点から洋学の歴史をとらえる「在村蘭学」研究の大家である青木先生をお招きしました。

 ご講演では、江戸時代の医学の歴史を年代順にふり返り、蘭学の交流と発達が日本の医学に与えた影響をふまえながら、津山ゆかりの蘭学者たちの業績をその中に位置づけて、その学問的な意義を明らかにされました。

 当館の展示資料にも触れながらお話しいただき、聴講者の皆さんも、津山の医学について一層理解を深めることができた講演会でした。

2011/04/24 第65回 文化講演会 -私を魅了した、オランダ伝統工芸-

演題:私を魅了した、オランダ伝統工芸    

講師:kinukoヒンダローペンスタジオ主宰 永江絹子先生
日程:平成23年4月23日(土)

 

 新館・常設展示室のヒンダローペン装飾を作画された永江絹子先生をお招きし、オランダの伝統工芸ヒンダローペンとスタップホストについてお話しいただきました。

 ご講演中には、先生が技術取得のためにオランダを訪れた際の映像を用いられ、伝統工芸を育んだオランダの風土をより具体的に感じることができました。講演後は企画展示室に移動し、開催中の企画展「彩生‐オランダ伝統の技と美‐kinukoヒンダローペンスタジオ20周年記念展」の展示解説もあわせて行われました。

2011/01/31 第64回 文化講演会 -プラントハンターの活躍~日本からヨーロッパに運び出された植物~-

演題:プラントハンターの活躍~日本からヨーロッパに運び出された植物~    

講師:獨協大学教授 加藤僖重先生
日程:平成23年1月30日(日)

 

獨協大学教授で、東京牧野標本館の客員教授も勤めておられる加藤先生を講師にお招きし、薬用や食用になる植物を採取するために世界中を旅した「プラントハンター」についてご講演いただきました。

プラントハンターの先駆けであるシーボルトは日本で植物採集を行い、今でもその標本が各地に残されています。また、現在ではそうしたハンターたちの持ち出した日本原産の植物が、オランダの庭や花屋の店先を飾っていることを紹介されました。

2010/04/11 第63回 文化講演会 -江戸の阿蘭陀趣味 洋学の興隆と西洋趣味の絵画と工芸-

演題:江戸の阿蘭陀趣味 -洋学の興隆と西洋趣味の絵画と工芸-    

講師:神戸市立博物館主幹・学芸員 岡泰正 先生
日程:平成22年4月11日(日)



 

2010/03/28 新館開館記念講演会(第62回文化講演会) -盆地の知性は世界へ-

演題:盆地の知性は世界へ
講師:印刷博物館館長・元国立西洋美術館館長 樺山紘一 先生
日程:平成22年3月28日(日)

 

印刷博物館館長で、元国立西洋美術館館長、東京大学名誉教授でもいらっしゃる樺山紘一先生を講師にお迎えしました。「盆地の知性は世界へ」の演題で、津山に生まれオランダ・ライデンに留学した津田真道をはじめ、津和野出身の西周など、山間の盆地に生まれ世界へと視野を広げていった人々についてお話いただきました。聴講された方々からは、郷土津山の素晴らしさを再認識する機会になったとの感想が寄せられました。

 

2009/11/03 第61回 文化講演会 -宇田川家三代の学問 本草から博物学へ-

演題:宇田川家三代の学問 -本草から博物学へ-
講師:明治大学教授 平野 満 先生
日程:平成21年11月3日(火)

本草学や洋学を中心とした日本近世の学術史をご専門とされる平野満先生を講師にお迎えして、津山の洋学の中核である宇田川家の業績についてお話しいただきまし た。その中で先生は植物学や化学の導入、更に明治以降の西欧化政策によって、古来の本草学が失われ、博物学が導入されていった過程に触れられ、学問の在り方についての再考を促されました。また、最後には歴史研究には史料が重要であるので、資料館を大事にして欲しい、とお話を締めくくられました。

2009/04/26 第60回 文化講演会 -洋学と園芸-

演題:洋学と園芸
講師:台東区立中央図書館郷土・資料調査室専門員 平野恵 先生
日程:平成21年4月26日(日)

19世紀の文化史・思想史がご専門の平野恵先生を講師にお迎えして、江戸後期の園芸文化と洋学との関わりをお話しいただきまし た。文学や美術と同様に、園芸を一つの文化として取り扱うことを目標とされる先生は、「学問」と「技芸」が分離する以前に、洋学者と植木屋が相互に影響し 合いながら、それぞれの分野の進歩・開拓を図っていた状況を細かく分析され、当時の園芸文化の隆盛に果たした植木屋の役割への再評価を促されました。

2008/10/18 第59回 文化講演会 -黒船来航と幕末日本-

演題:黒船来航と幕末日本
講師:明海大学教授 岩下哲典 先生
日程:平成20年10月18日(土)

ペリー来航前後の海外情報にお詳しい岩下先生を講師にお迎えし、黒船来航から日米和親条約の締結にいたるまでの日本側の対応に ついて、オランダ通詞の森山栄之助の動向に光を当てて、お話しいただきました。有効な対応策を取れなかった幕府上層部に対し、森山をはじめ現場の面々が知 力を活かして西洋文明に対抗した様子を詳しく解説されました。

2008/04/27 第58回 文化講演会 -京の蘭学者と宇田川家の人びと-

演題:京の蘭学者と宇田川家の人びと―交流と遊学の諸相―
講師:住友史料館研究員 海原亮 先生
日程:平成20年4月27日(日)

近世の医療を専門にされている海原先生を講師にお迎えし、解剖家として知られる京都の小石家と、江戸蘭学の大家である宇田川家 との交流を、両家の間で交わされた手紙をもとにお話ししていただきました。手紙からは著述の貸借や贈答、校閲・出版の依頼などが行われたことが読み取れ、 小石家・宇田川家双方がお互いの学問へ信頼を寄せていたからこそ積極的な学問交流が行われたことを紹介されました。

2007/11/04 第57回 文化講演会 -オランダから来た測量術-

演題:オランダから来た測量術―越後騒動直後に作られた 地図をめぐって―
講師:電気通信大学准教授 佐藤賢一 先生
日程:平成19年11月4日(日)

近世の日本科学史がご専門で、特に和算の歴史に精通されている佐藤先生を講師にお迎えした今回は、江戸時代前半の測量術を縦軸 に、越後騒動を横軸に置いたお話でした。越後騒動後に上使として越後高田に赴いた藤井松平氏の家臣で、阿蘭陀流町見術を修得していた木部四郎右衛門作製の 高田周辺の海岸図に焦点を当て、測量術と津山松平藩成立との関連を順序だてて解説いただきました。

2007/05/06 第56回 文化講演会 -江戸時代末期に描かれたナポレオン図像の変遷-

演題:江戸時代末期に描かれたナポレオン図像の変遷
-箕作阮甫らの翻訳伝記から、いかにして絵画が生み出されたか?-
講師:福島大学名誉教授 磯崎康彦 先生
日程:平成19年5月6日(日)

オランダやドイツでの留学経験をお持ちで、美術史に造詣の深い磯崎先生を講師に迎え、日本でナポレオンの肖像画が描かれ始める 経緯について、スライドを交えてお話しいただきました。ナポレオンの存在は日本にもすぐに伝わり、英雄の登場を待望する当時の世相を反映して人気が高かっ たことを踏まえ、箕作阮甫をはじめとする蘭学者、とりわけ幕府の天文方における伝記の翻訳から肖像画作成に至るまでの過程を詳しく解説されました。

2006/11/25 第55回 文化講演会 -異文化交流の旗手 オランダ通詞-

演題:異文化交流の旗手 オランダ通詞
講師:大分大学教授 鳥井裕美子 先生
日程:平成18年11月25日(土)

ライデン大学留学経験をお持ちの大分大学教授の鳥井先生を講師にお招きし、長崎出島に出入りするオランダ通詞の日常および蘭学 への貢献の様子などを、面白いエピソードもふんだんに交えてお話しいただきました。通詞たちは文法知識の不足から高度な翻訳はできなかったものの、西洋人 による日本研究および日本における蘭学という両面で、非常に大きな役割を果たしたことを紹介されました。

2006/04/23 第54回 文化講演会 -薩摩藩と日本の近代化-

演題:薩摩藩と日本の近代化-洋学と海の視点から-
講師:尚古集成館 館長 田村省三 先生
日程:平成18年4月23日(日)

薩摩藩主島津家伝来の資料を収蔵・展示する尚古集成館の田村館長をお招きして、薩摩藩が日本の近代化に果たした役割についてお 話しいただきました。島津家の出自から説きおこし、倭寇や南蛮貿易との関わりをふまえて、薩摩藩が持っていた地理的条件をくわしくご説明の後、藩主斉彬が 展開した集成館事業の意義を分析されました。また、斉彬にオランダ語を教えたのは宇田川榕菴ではないかと唱えられるなど、とても興味深い話題を提供してく ださいました。

2005/11/13 第53回 文化講演会 -中国における宣教師の出版活動と洋学-

演題:中国における宣教師の出版活動と洋学
講師:青山学院女子短期大学教授 八耳俊文 先生
日程:平成17年11月13日(日)

科学の分野から中国や日本の近代化を研究されている八耳俊文先生を講師としてお招きし、アヘン戦争に敗れて開国した中国にやっ て来たキリスト教宣教師による出版活動と、同時期の日本での洋学普及との関わりについて、わかりやすくお話しいただきました。特にホブソンとマッゴウァン という二人の宣教師に注目して、その生涯を詳しく紹介されました。日本の洋学の普及には、中国に来た宣教師たちの果たした役割が大きかったことがわかり、 とても貴重なご講演でした。

2005/05/08 第52回 文化講演会 -シーボルトと幕末日本をめぐる国際情勢-

演題:シーボルトと幕末日本をめぐる国際情勢
講師:東海大学総合教育センター教授 沓沢宣賢 先生
日程:平成17年5月8日(日)

シーボルトの活動を精力的に研究されている沓沢宣賢先生をお招きし、シーボルトの2度目の来日時の活動とその背景について、幕 末当時の国際情勢を踏まえつつお話しいただきました。シーボルト事件による帰国後、彼は単に日本研究の成果発表だけでなく、日本の平和的開国の実現に向け て尽力し、生涯を通じて日本のために行動し続けています。そうした彼の行動を客観的に見つめる機会が得られ、大変興味深いお話でした。

2004/10/17 第51回 文化講演会 -ヨーロッパにおける日本語学事始め-

演題:ヨーロッパにおける日本語学事始め
-ホフマンとフィッツマイエルについて-
講師:島根大学法文学部講師  ジャンマリー・マユー 先生
日程:平成16年10月17日(日)

ベルギー出身の言語学者であるジャンマリー・マユー先生をお招きして、ヨーロッパにおいて日本語研究がどのように始まったかに ついてお話しいただきました。典型的な学者タイプで業績が埋もれてしまったフィッツマイエルと、ライデン大学の日本語学講座の教授で日本でも名を知られて いるホフマンという対照的な二人の学者に焦点を絞り、彼らの生涯を比較しながらそれぞれの業績を明らかにされました。日本では無名に近い存在であった フィッツマイエルが紹介された興味深いお話で、先生も彼に光を当てることができて喜んでおられました。

2004/05/08 第50回 文化講演会(久原躬弦胸像修復事業完了記念講演会) -津山が生んだ日本の有機化学の先達 久原躬弦を偲ぶ-

演題:津山が生んだ日本の有機化学の先達 久原躬弦を偲ぶ
講師:福井工業大学教授/京都大学名誉教授/
元京都工芸繊維大学学長  丸山和博 先生
日程:平成16年5月8日(土)

京都大学理学部において久原躬弦以来の伝統を持つ有機化学講座の担当教官でいらした丸山先生をお招きして、久原躬弦の学問的な業績や研究室に伝えられた彼 にまつわるエピソードなどをお話しいただきました。「実験は化学の基本である」という信念に基づく厳格な学者であった一方、多趣味でユーモアに富む側面も あり、学生を自宅に招いて語らうことを楽しみにしていたという、彼の人柄を彷彿とさせる貴重なお話をうかがうことができました。

2003/11/29 第49回 文化講演会

演題:『蘭学事始』に見る杉田玄白の誇り
講師:静岡文化芸術大学教授 岩崎鐵志 先生
日程:平成15年11月29日(土)

杉田玄白が晩年に著した回想録である『蘭学事始』について、岩崎鐵志先生にご講演いただきました。『蘭学事始』の構成や文章の体裁を分析しながら内容を検 証され、蘭学開祖としての自己の正当性を強調したいという意図のもとに、玄白が巧妙な作為をほどこしていることを、わかりやすく読み解いてくださいまし た。草創期の蘭学について理解を深めることができる興味深いお話でした。

2003/05/25 第48回 文化講演会 -日本の花と出会ったシーボルト-

演題:日本の花と出会ったシーボルト
講師:東京大学教授 大場秀章 先生
日程:平成15年5月25日(日)

東京大学総合研究博物館でシーボルトが収集した植物標本を研究されている大場秀章先生に講師をお願いし ました。ヨーロッパに比べて豊富で多彩な日本の植物を導入するためにどのような工夫を凝らしたか、シーボルトの園芸家としての側面にスポットを当ててお話 しくださいました。ヨーロッパの庭園にあふれる花の多くが日本から渡ったものであるという意外な事実を知るとともに、シーボルトの先見性・独創性を再認識 できました。多くの方々が聴講に詰めかけ、盛会となりました。

2002/10/19 第47回 文化講演会(平成14年度特別展関連講演会) -三瀬諸淵の生涯とその業績-

演題:三瀬諸淵の生涯とその業績
講師:愛媛県歴史文化博物館 学芸員 井上淳 先生
大洲市立博物館 学芸員 白石尚寛 先生
日程:平成14年10月19日(土)

特別展の関連講演会として、特別展開幕日に開催しました。 まず愛媛県歴史文化博物館学芸員の井上淳先生に、伊予の蘭学者について概略を説明いただき、大洲市立博物館学芸員の白石尚寛先生から三瀬諸淵の人物像につ いてスライドを交えてご紹介いただきました。ちょうどこの日から始まった特別展に花を添える事ができました。

2002/05/12 第46回 文化講演会 -ペリー来航150年を前にして-

演題:ペリー来航150年を前にして-初期の日米関係を再考する-
講師:明海大学経済学部助教授 岩下哲典 先生
日程:平成14年5月12日(日)

ペリー来航150年の前年に当たることから、初期の日米関係についてお詳しい岩下哲典先生にお話しいただきました。この講演では、一般にはあまり知られて いない開国以前の日本人のアメリカ認識や、ペリー来航予告情報を巡る最新の研究成果を紹介してくださり、開国以前の日米関係に対する認識を深めることがで きました。

2002/02/09 第45回 文化講演会 -西洋人の日本観-

演題:西洋人の日本観
講師:大阪経済大学経済学部専任講師
DICK STEGEWERNS(ディック・ステゲウェルンス) 先生
日程:平成14年2月9日(土)

オランダ国立ライデン大学ご出身のディック・ステゲウェルンス先生にご講演いただきました。先生の専門は、第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけての国 際関係を中心とする日本近現代史の研究です。映画史にもお詳しいことから、西洋人が持つ日本のイメージというものがどのように移り変わってきたかという点 について、映画を通してお話いただきました。