津山洋学資料館

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館の概要

 

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  休館日

 

 

館の概要

 

 
立地
 津山洋学資料館は、旧出雲往来に沿い、国重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている、城東地区に位置します。
 周囲には、津山出身の洋学者・箕作阮甫が生まれ幼少期を過ごした生家である国指定史跡「箕作阮甫旧宅」や、国登録有形文化財である「城東むかし町家」(旧梶村家住宅)などがあります。
重要伝統的建造物群保存地区 城東  
 
建物
 木造やレンガ造りの建物が組み合わさったような外観ですが、実際には一つにつながった鉄筋コンクリート造り平屋建ての建物です。
 城東地区の町並みとの調和を図りつつ、アカデミックで存在感のある外観に仕上がっています。
 ホールと展示室の平面は五角形を基本として、それを巧みに組み合わせた形になっています。これは、日本で初めて本格的な西洋の植物学を紹介した津山藩医・宇田川榕菴にちなんで植物をモチーフとし、また、「津山洋学五峰」(宇田川玄随・宇田川玄真・宇田川榕菴・箕作阮甫・箕作秋坪)をイメージさせるものです。建築面積は1,224㎡。(社)日本建築家協会中国支部の平成22年度中国建築大賞を受賞しています。
 新館建設にあわせて市内各所に点在していた洋学者のブロンズ像も、前庭に集められました。
 
 本館の設計は象設計集団の建築家・富田玲子氏によるものです。富田氏は東京大学で丹下健三氏、また箕作阮甫の玄孫で早稲田大学大学院で建築学を教授した吉阪隆正氏にも師事し、これまで名護市庁舎(沖縄県)・由布院美術館(大分県)・九谷焼美術館(石川県)などを手がけました。
 
沿革
津山市を中心とする美作地方(岡山県北東部)は、宇田川家や箕作家をはじめとして日本の近代化に貢献した優れた洋学者を輩出しました。
 箕作阮甫旧宅
昭和50年、箕作阮甫の旧宅が国の史跡に指定され、解体復元されたことをきっかけに、郷土ゆかりの洋学者を顕彰しようという機運が高まりました。そして、昭和53319日、中国銀行津山東支店(旧妹尾銀行林田支店)の建物を利用して、全国的にも珍しい洋学を専門にした津山洋学資料館が開館しました。
 旧妹尾銀行林田支店
                                    (旧洋学資料館)
以来32年にわたって、洋学に関係する資料の収集や保存を行い、収蔵資料は開館時の約600点から9,400点と10倍以上に増加。また、特別展や講演会などを通じて洋学知識の普及に努めました。
一方で、増加した資料の収蔵場所不足が長年の懸案となっていました。
そこで、城東町並保存地区へ新築・移転し、箕作阮甫旧宅と一体的に活用しようという計画が立てられました。
平成204月に新館建設工事を着工、平成22319日に新館が開館しました。
 
昭和50 3月  箕作阮甫旧宅史跡指定
    10月  旧中国銀行津山東支店の建物を中国銀行から買収
    12月  津山洋学資料館設立について検討開始
昭和52 2月  開館のための工事に着手
    12月  津山洋学資料館設置条例制定
昭和53 3月  津山洋学資料館設置条例施行規則制定
         開館式(319日)
平成3年 1月  博物館法第29条による「博物館相当施設」に指定
平成4年 5月  津山市重要文化財(建築物)に指定(旧館)
平成20 4月  新館建設起工式(426日)
平成21 5月  新館建設竣工式(530日)
      6月  津山洋学資料館設置条例改正
    10月  博物館法第12条による「登録博物館」に指定
平成22 3月  開館式(319日)
 
業務
 1.資料の収集・整理及び保存
   開館当初の資料約600点から大幅に増加して、平成263月現在で館蔵・寄託等の著訳書・書簡・医療器具・書画など合わせて約9,400点の資料を収蔵しています。
 
 2.資料の展示・公開
   常設展示では、宇田川家・箕作家関係の代表的な資料を中心として、『解体新書』など蘭学の黎明期を代表する資料のほかに、地域の医療活動に尽力した蘭方医たちの資料を公開展示します。また、年に数回の企画展示も合わせて開催します。
 
 3.資料の専門的な調査研究
   研究施設として、関係資料や史跡の調査研究を行います。
 
 4.調査研究書の作成と頒布
   洋学研究資料集、洋学研究誌『一滴』などを刊行しています。
 
 5.講演会・見学会・講座などの開催
   研究者による文化講演会や学芸員による講座、また、友の会活動を通じての視察研修会やソフト事業を随時開催しています。